「2013年10月~docomoが個人情報を売るという誤解が飛び交っています」という記事で伝えきれなかった事…というか伝える必要がないと思い書かなかった事などを含めて少し書いてみようかと思いました。
そもそもの事のきっかけから私がつかんでいる流れも交えて報告したいと思います
2013年9月6日 docomoがビックデータの使用を発表
ビックデータと言うと何のことかわかりませんが、公式ページにも書かれていますがモバイル空間統計と言う名前で公開されています。
基地局に入ってきた電波利用の履歴からその電波の発信端末の持ち主の年齢・性別を特定して
「9月20日に東京の新宿区に居た年齢分布図」
という様な企業から欲しいと申し込みがあった地域の年齢・性別分布図をdocomoが作成する。
(もちろん統計なので「○○人でした」という人数でしか表示はされない)
その人数統計データを企業に販売するというサービスを開始するという告知がなされた
2013年9月6日 読売新聞さんの記事にて知れ渡る
(2013年9月6日20時27分 読売新聞)
NTTドコモは6日、携帯電話利用者の位置情報などが分かるビッグデータを10月から企業向けに有料で販売すると発表した。
携帯電話基地局が、エリア内の携帯電話の位置情報などを自動的に把握している特性を生かし、流通業や外食企業などに特定地域の時間ごとの人口の変化などをまとめた報告書を販売する。価格は、最低でも数百万円になる見通しだ。
ドコモのサービスは、飲食店が周辺の1日の人の流れを把握したい場合、ドコモが系列の調査会社にデータを渡し、同社が解析してリポートなどを作成する。
基地局が収集するデータには、位置情報だけでなく契約者の携帯電話番号や生年月日などの個人情報も含まれる。解析するデータには性別、年齢、大まかな住所は含まれるが、その他の情報は加工して個人が特定できないようにする。
7月にJR東日本がICカード乗車券「Suica(スイカ)」の乗降履歴を利用者に無断で企業に販売していた問題を踏まえ、ドコモは、契約者が電話で申請すれば、個人データの利用を停止する。
この記事では誤解を受ける可能性を含んだ部分もありますが
基地局が収集するデータには、位置情報だけでなく契約者の携帯電話番号や生年月日などの個人情報も含まれる。解析するデータには性別、年齢、大まかな住所は含まれるが、その他の情報は加工して個人が特定できないようにする。
とハッキリと個人情報ではなくなっているという言葉が記されています。
しかし、ここから大きくねじ曲がります
2013年9月9日 複数の有名ブログがSNSなどで一気に拡散されはじめる
NTTドコモが契約者の携帯電話番号・年齢・大まかな住所・生年月日等のデータを解析して企業向けに有料販売開始←ドコモ「個人情報販売やめてほしかったら連絡しろよ^^」
このブログだけではありませんが、他にもたくさんのブログが同じように「docomoが個人情報の販売を開始!」というような目を引く為のタイトルをつけてブログを上げたのでSNS(特にtwitter)で拡散されました。(現在も)
まぁ、だいたい新聞発表から3日も経ってから上がってる時点で????です。遅すぎます!江戸時代の飛脚ですか?
それらのブログは堂々と事実の発表とは違う事を「妄想と感情」で書きなぐったものばかり。。。それがSNSを通じて拡がったわけです。
情報誘導の基本ではありますが…
「docomoが個人情報の販売を開始!」という認識をえた後に読売新聞の記事を読むと、、、不思議と個人情報っぽいものを売るという認識になってしまうから認識と言うのは怖いものです。
様々な情報がtwitterに流れる
- docomoが個人情報を売るらしい
- docomoに個人情報売られたくないので他社にいこう
- docomo終わってる、個人情報売るとか…
- ドコモが個人情報を売り始めました!
・・・さらに内容は進化します
- docomoに確認したら「個人情報を売ります」と言われた
- docomoのホームページを確認したら電話番号・住所・性別・生年月日を売るって書いてあった
- 電話したらすぐに拒否できたのは犯罪を犯しているのがばれると怖いからというあらわれに違いない
- docomo公式発表-住所・電話番号などを企業に販売!-
しかし、こういった文章も徐々に流れはじめます
- docomoが売るのは統計で個人情報では無い
- どう読んだら個人情報を売ると書いてあるように見えるんだ?
- 個人情報売るとか言ってる人国語力ヤバいよね。
するとこう変化しました
- 個人情報では無いらしいけど、いずれ漏れるに違いない
- 個人情報以前の問題だ、人としてどうかというレベル
もう感情と願望・・・つまり売る事を前提に話を面白おかしく膨らませるものになってきています。
私の考え
私の考えですが、今回のビックデータ騒動で「docomoさんが販売されるのは個人情報ではありません!」。twitterでも私はそれ以上でもそれ以下でも無いことは一切言っていないはずです。
なぜなら、今回のdocomoさんの施策に対しては私個人的には正直あまりいい気持ちはしていません。
【私が面白くない理由】
- docomoの個人情報取り扱い規約の中に「他社に販売する為の統計の作成」という文言はない
- 個人情報はデリケートなのであまり色んな事(統計作成など)に利用してほしくはない
しかし事実は事実として認識しましょう。販売されるのは個人情報では無いのです。
確かに契約した段階では思いつきもしなかったサービス、しかも個人情報を大なり小なり利用したサービスを展開するのであれば、それなりの対応があってしかるべきかと思います。
しかしそれはそれ、今回私が強く感じたのは個人情報販売では無いと理解したうえで反対するのと、個人情報販売だと思いこんで反対するのとでは相手に与える印象はまるで違います。誤解をしたまま相手に話をしても恐らく相手は個人情報の販売をしていない説明をぶつけてくるだけでしょうね。。。
出来る事ならば、151で情報利用拒否の申請が可能なわけですから申請者が増える事でdocomoさんが思い直してくれたらいいなと思います。
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