「ラクガキノート術(実践編)-タムラカイ」 を読んでみました

購入・レビュー

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タムラカイさんの新著「ラクガキノート術(実践編)」に興味を持ったのでさっそくAmazonで取り寄せて読みました。私が住んでいる場所は贔屓目に言っても「ド田舎」で本を探すのも大変です。いつもなら本屋に行くものの、なければ買うのが面倒になってしまう私が、「どうしても読みたかった本」がこのラクガキノート術。さっそく感想を書きたいと思います。

 

絵を描きたいから?いいえ違います。

私がこの本をどうしても読みたかったのはタムラカイ氏(以下:タムカイさん)の様な絵を描きたかったからではありません。実はこの本、もちろん絵を描くことについても多く触れていますが、それよりも大切な事を多く教えてくれる本なのです。

この本のタイトルだけを見ていると、多くの人が思うだろう「絵の描き方指南本」。ラクガキサンプルやラクガキの描き方ばかりが書かれているような印象を受けます。確かにそういう一面もありますが、それは本の中ではホントにホンの一部。(意味なく韻を踏んでみた)

この本は、ビジネスマンであればだれもが目指すであろう「ロジカルシンキング」、そして「上司が部下に対して指導するのに必ず役に立つ知識」の数々が多く書かれています。ラクガキすることで自分の考えをまとめ上げ、物事を正確にとらえる事が自然と身につくビジネス本だと思えばいいと私は思います。

 

例えばこんな内容…

中身の多くを公開するわけにはいきませんので冒頭の章にあるこんなページを簡単に説明します。

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ここでは「3つの言葉で考える」という内容が、タムカイさんのかわいいイラストで分かりやすく書かれています。「ランチェスターの法則」などのビジネス本であれば、この内容だけでも数十ページにわたって書かれていたりしますが、それを簡単に見開きの2ページでまとめてあります。

①「そもそも」(問題の発掘)
②「どうして?(どうすれば?)」(解決の糸口)
③「いいね!…あるいは」(アイデアの発展)

現代のビジネスにおいて大切な「観察」「想像」「表現」のサイクルをスムースに行うために大切な言葉として「そもそも」「どうして?」「いいね!あるいは」の3つの言葉を挙げられています。

ある事に対して「(そもそも)なぜそれが必要なのか」という問題定義に始まり、それに対する解決の糸口を「どうすれば…」と考える。その答えに対して「いいね!でもあるいはこんな方法も」とアイデアを発展させてゆくというものです。

先ほども申しましたが、この本はタムカイさんのイラストも織り交ぜて「ビジネスに必要なものの考え方」「会社で役に立つ意識の持ち方」をわかりやすく教えてくれる一冊なのです。

 

ラクガキは創造性による表現の一つ

本のタイトルでもある「ラクガキ」の本なのは間違いありませんが、タムカイさんにとって「物事を効率よく考える、表現するためにラクガキを利用する」というスタンスであると私は感じました。絵というのはとても分かりやすいですよね。私は絵はきれいではありませんが、描くのは嫌いではありません。

力作「ねこ」

とすの力作:「ねこ」

まぁ、絵はひどいですけれどもね(大切な事なので2回言いました)

論語に「知好楽」という言葉があるのはご存知ですか?「子曰く、これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」。つまり、「コレを知っているだの人はこれを好きな人にはかなわない。これを好きなだけの人はこれを楽しんでいる人にはかなわない」という意味です。タムカイさんの本著には「楽しみとは与えられるものから与えるものになる。楽しみを与える事こそが創造性」というニュアンスの表現がありました。これは私も写真を見るだけだったけれど、いつからか自分の撮った写真で楽しんでほしいと思うようになったり、壁紙を作ったりしていたのでとても同感できるところです。

 

まとめ

私は著者のタムカイさんとは直接の面識はもちろんありませんので失礼な表現になるかもしれませんが、この本を読んでまず最初に感じたのは「タイトルが邪魔をしている」というものでした。この本のタイトルを見た人は「ラクガキの描き方の本」「イラストの描き方の本」と思われる人が大半だと思います。私なりに感じた実際の内容は「ビジネスにおける効率的な考え方」「物事を多面的に正確にとらえるための観察方法」「自分の考えを相手に伝える表現力の鍛え方」という、それだけで1冊書いてある本も多いような内容がぎゅっと詰まった素晴らしいビジネス本!だけど絵に興味がない人がまず手に取らないのが残念!!!という感想でした。

問題を把握できない、自分の言いたいことを伝えられない、俯瞰的に物事を見ることができない。ビジネスで求められるシーンは多いけれど中々できないからみんな悩んでいることですよね。この本はそんな「ものの考え方」「ものの見方」を教えてくれる良書です。本気でおススメします。

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